首の痛みと腕の痺れでお悩みのバレエ経験が10年ある大学生女性の改善事例

遠塚

 

 

患者情報:21歳 女性

【問診】

<お悩み>

バレエ

1年前から長時間座っていると右腕に痺れが出るようになってきた

 

<患者様からお伺いしたこと>

 

Q,症状について詳しく教えて下さい。

 

1年前から、座っている姿勢が続くと、右肘から手先にかけて痺れが出るようになってきました。

 

痺れが出すと動きが悪く、だるい感じが強くなります。

 

Q,辛い体勢はありますか?

 

特に下を向いていると痺れが出てくることが多いように思います。

 

長時間同じ体勢が続くと辛さが増してきます。

 

Q,しびれ以外に気になる症状はありますか?

 

寝違いを良く起こして、首が回らなくなることが多いです。

 

あと、普段は肩コリや、首コリを常に感じています。

 

他には、週に1回は頭痛が頭の後ろ側に出てきます。

 

薬を飲むほどではないので、出てきた時も我慢しています。

 

Q, 首への負担になるようなことで、思い当たることはありますか?

 

現在大学4年生ですが、大学に入るまでの10年間、バレエをしていて、首を急激に動かす動作が多かったです。

 

Q,他に気になることはありますか?

 

気になって内科に受診すると、背骨の歪みがあると言われたので、心配になってこちらへ受診しました。

 

また、来年からデザイン系の仕事に就こうと思っているが、仕事をし始めた時でも今の痺れがあると思うと不安です。

 

【検査】

神経症状の原因を調べるために、以下の検査を行いました。

 

<動きの検査>

首の動きの検査

首を後ろに倒したときに左首に痛みが出ました。

 

その他の動きに関しては、痛みはありませんでした。

 

肩の動きの検査

肩を前に上げたり、外に上げたりしてもらいましたが、痛みはありませんでした。

 

肩甲骨の動きの検査

肩甲胸郭関節といって肩甲骨と肋骨を繋いでいる関節の動きの検査を行いましたが、正常の動きよりも低下してしまっている状態でした。

 

<神経症状の検査>

胸郭出口症候群の検査

肩の前方で神経を圧迫している可能性がないか検査をしましたが、問題はありませんでした

 

頚椎症の検査

患者様の頭を少し横に傾けた状態で、上から圧迫すると首の後ろ側に痛みが出ました。

 

チネル徴候

腕の周辺で神経が損傷されていないか検査を行いましたが、問題ありませんでした。

 

<その他の検査>

インピンジメント症候群の検査

肩関節内部で問題が起こっていないか検査をしましたが、問題ありませんでした。

 

姿勢の検査

頭の位置が正常よりも前方に傾いていました。

 

背骨の触診

骨の配列を触診で確認をしましたが、小さな歪みはありましたが、大きな問題はありませんでした。

 

<筋力の検査>

椎前筋の筋力検査

首の前側の筋肉の筋力を測定しましたが、正常よりも低下していました。

 

前鋸筋の筋力検査

肩甲骨の外側にある筋肉の筋力を測定しましたが、正常範囲内でした。

 

僧帽筋下部、菱形筋の筋力検査

背中についている筋肉の筋力検査を行いましたが、正常よりも低下していました。

 

三角筋の筋力検査

問題がない側と比べて、筋力が低下していれば、首の神経に異変があることを意味しますが、低下している所見が見られました。

 

【検査結果から分かること】

首の筋肉の説明

<首痛の分類>

今回は、首の痛みと肘から手にかけての神経症状でお悩みでしたが、「頚椎症」という症状に分類されます。

 

頚椎症とは、

 

・頸椎の椎体骨(ついたいこつ)の部分にとげのような突起が出来てしまっている状態

 

・椎間板(ついかんばん)(椎体と椎体の間にあってクッションの役割をしている)が後ろへ飛び出てしまっている状態

 

・靭帯(じんたい)の石灰化、骨化している状態

 

などによって、脊髄から出て肩や腕に行く神経、または脊髄自身が圧迫・刺激を受ける病気です。

 

ですので、この患者様の場合、肘から手にかけての神経症状は頚椎に問題があることで出てしまっている症状でした。

 

<頚椎症の原因の分析>

20代で頚椎症を発症する方は稀ですが、この患者様の場合、10年間バレエをされていたことで、急激に首を前に倒したり、上を見上げたりする動作を多かったと推測できます。

 

そのため頚椎に微細な負担が繰り返し加わっていたことによって、首を痛めやすくなっていたと考えられました。

 

又、座っている時の姿勢にも問題がありました。

 

座っている時の正しい姿勢(横から見た時)とは、耳垂(耳たぶ)-肩峰(肩のでっぱった骨)-大転子(太ももの付け根のでっぱった骨)が一直線にあるのが正常な姿勢です。

 

しかしこの患者様の場合、耳の位置が前方に倒れすぎており、顎が前に出

 

ているような姿勢でした。

 

このような姿勢になると、慢性的に頚椎にかかる圧が増えてしまいますので、症状を誘発しやすくなっています。

 

【施術計画】

肩の整体

<施術方針>

顎が前に出すぎている姿勢を改善しなければいけませんが、姿勢の歪みを改善するには筋肉の調整が必要になります。

 

その為に、弱っている筋肉を鍛え、進んでしまっている筋肉の緊張を取っていきます。

 

首の前の筋肉と背中の筋肉が筋力低下を起こしていましたので、特殊な電気機器でトレーニングを行っていきます。

 

反対に緊張しすぎてしまっている首の後ろの筋肉や肩の筋肉は、手技でほぐしていきます。

 

又、自宅でも首の筋肉を鍛えるトレーニングを行っていただくよう、アドバイスさせて頂きました。

 

<施術のゴール設定>

しびれが出ないようにしていくことをゴールとします。

 

又、仕事を始めた時でも痛みが出にくくなるように、根本的に改善していきます。

 

<施術期間と頻度>

週1回、2カ月の期間での施術を提案しました。

 

【施術経過】

2回施術終了時(2週間)

首の痛みは低下し、痺れが出てくる頻度が低下してきました。又、座っている姿勢が続いた際も楽に過ごせるようになりました。

 

4回施術終了時(4週間)

初検時の痛みを10だとすると4まで低下してきました。痺れが出てくる頻度、強さ共に改善傾向にありました。

 

手の症状の違和感が緩和してきたことで、ご本人の顔にも笑顔がでるようになってきました。

 

6回施術終了時(6週間)

2週間前と比べ、更に症状は緩和し、首が痛いと思う時や、痺れが気になることが少なくなってきていました。

 

長時間座っていると、腕に違和感が残っていました。

 

姿勢に関しては改善傾向にあり、初検時と比べると頭の位置が正常な位置に近づきつつある状態でした。

 

8回施術終了時(8週間)

首や肩の張り感はほとんど感じない状態となり、頭痛を感じることも無くなりました。

 

痺れも感じることも無くなりました。

 

ご本人も現状で特に悩むことは無いと喜ばれていました。

 

10回施術終了時(2カ月)

痛みや痺れで困ることが安定して無くなりました。

 

姿勢に関してもほぼ正常な状態となりましたので、今回で施術終了となりました。

 

【まとめ】

今回は首の痛みと腕の痺れを訴えて来院された患者様の事例です。

 

そのお悩みのため、現在はもちろん、これからの社会生活にも不安を抱かれているご様子でした。

 

問診や検査から、この症状は「頚椎症」と言われる、脊髄やそこから伸びる神経に問題が起こることで現れているものと考えられました。

 

この頚椎症の原因は人によって様々ですが、この患者様の場合、長年バレエをしてきたことで首に負担がかかっている状態が長く続いたことに加え、頭が前に出てしまう姿勢の悪さが症状を引き起こしている原因となっていました。

 

異常がある骨などを元に戻すことはできませんが、弱い筋肉を強くし、緊張しすぎている筋肉をほぐしてバランスを整えることで首にかかる負担を軽減することで、症状を改善させていくことは可能です。

 

手技と電気療法を使って施術を行い、またご自宅でもトレーニングによって筋肉を鍛えてもらうことで首に負担のかからない体を作っていきました。

 

結果として、姿勢も徐々に改善し、痛みやしびれといった症状もなくなり、患者様も不安が解消されて表情も明るくなりました。

 

予定通り、二カ月の施術期間でもって無事に施術を終了することが出来ました。