仰向けで寝ている時や朝一で首に鈍痛が出る20代女性の相談事例

 

田村

 

患者情報:23歳 女性

【問診】

<お悩み>

 

首 痛み

 

首に重怠いような鈍痛があり、寝ている時や朝一に鈍痛を感じやすい。

 

<患者様からお伺いしたこと>

Q,痛みはいつ頃からですか?また、痛みだしたきっかけはありますか?

 

数カ月前から鈍痛が出てきています。

 

特に何かをして痛めた記憶はありません。

 

Q,どのような体勢が辛いですか?

 

仰向けで寝ている時や、朝起きると首の後ろから肩(頸部後面から僧帽筋上部付近)にかけて鈍痛が出ます。

 

仕事中は集中して忘れているのか、あまり気になりません。

 

Q, 普段の就寝時の状態を教えて下さい。

 

痛みが出る一カ月ほど前から、ベッドのマットレスを柔らかい物に買い替えました。

 

また昔から、枕は通常のサイズの物を半分に折った状態で使っています。

 

Q,これまでに肩こりなどの症状はありましたか?

 

元々から少しだけ肩こりはありました。たまにマッサージに行っていました。

 

他には、頭痛や目が疲れる事があります。

 

Q,腕などにしびれの症状はありますか?

 

シビレなどは特にありません。

 

Q,今回の痛みで整形外科や整骨院等を受診されましたか?

 

首の痛みに関して、整形外科等の医療機関を受診したことはありません。

 

【検査】

首の痛みの原因を調べるために、以下の検査を行いました。

 

<動きの検査>

首の動きの検査

頭を前後に倒した際に、首の後ろの筋肉部分(板状筋)に痛みが出ました。

 

首を左右に倒した際に、左右の首の筋肉部分(斜角筋)にハリ感が出ました。

 

肩の動きの検査

外転(手を横から上にあげていく動作)をした際、痛みはありませんでしたが、170度以降から少し上げにくい状態でした。

 

背骨の動きの検査

胸椎(背骨の背中にあたる部分)の動きが悪くなっている可能性が疑われました。

 

<神経症状の検査>

神経症状の検査を行いましたが、異常ありませんでした。

 

<筋力テスト>

インナーマッスルの筋力検査

お腹の深部にあるインナーマッスルの筋力は弱まっていました。

椎前筋の筋力検査

首の前面にある筋肉の筋力は弱まっていました。

菱形筋の筋力検査

背中の真ん中にある筋肉の筋力は弱まっていました。

前鋸筋の筋力検査

肩甲骨の内側にある筋肉の筋力は正常でした。

 

【検査結果から分かること】

 

首の筋肉の説明

 

<頸部痛の分類>

今回の頸部痛は、筋膜性による痛みだと考えられます。

 

頸部の痛みには、筋肉によるものと、背骨と背骨の間にある椎間板によるものの二つに大きく分けられます。

 

この患者様の場合は、頭を前後に倒した際に痛みが出る事、また検査で神経症状に異常がなかった事から、今回は筋肉からの痛みである筋膜性の頸部痛と判断しました。

 

<筋膜性の頸部痛の原因の分析>

こちらの患者様は、問診や検査の結果から日常生活の中で痛みが出る一カ月前からベッドのマットレスを柔らかい物に変えて使用している事と、枕を半分に折って高い状態で使用されている事から、首の後ろにある板状筋や肩甲挙筋という筋肉に寝ている時に負担がかかってしまっている状態です。

 

また、「上位交差性症候群」という首の前と背中の後ろの筋肉が弱くなり、反対に首の後ろと背中の前側の筋肉が緊張している状態になっていることで、肩甲骨の動きや背中の動きが悪くなっています。

 

そのため身体の筋肉のバランスが崩れてしまい、首の後ろから肩にかけて負担が掛かってしまい、痛みが発生したと考えられました。

 

【施術計画】

 

肩甲骨 整体

 

<施術方針>

施術は痛みが出ている首と肩に対して、痛みの緩和を行ないます。

 

しかし痛みの緩和だけでは患部に負担がかかれば痛みは戻ってしまいます。

 

そのため、弱くなっている筋肉と反対に緊張している筋肉があることで背中や肩甲骨の動きが悪くなり、このことが首への過剰な負担となっているため、この状態を改善していく必要があります。

 

具体的には、緊張している筋肉に対しては指圧施術で動きが出る様にしていき、弱っている筋肉に対しては電気療法で刺激を与え、鍛えていきます。

 

また日常生活内でベッドのマットレスの柔らかさや枕が高い物で寝ている事により首に負担が掛かり続けているため、首に負担が掛かりにくいような寝方や枕の高さなどのアドバイスをしていきます。

 

同時に、緊張している筋肉に対しては自宅でもストレッチを行ってもらう様にアドバイスを行います。

 

<施術のゴール設定>

朝一の重だるい痛みが出ないようにしていく事を目標とします。

 

<施術の期間と頻度>

週2回から1回、2~3ヶ月の期間での施術を提案しました。

 

【まとめ】

今回の患者様は、首から肩にかけての重怠い、鈍い痛みでお悩みでした。

 

問診や検査の結果、痛みの出る前に就寝時の体勢や、「上位交差性症候群」という姿勢のアンバランスさが原因の、筋膜性の頸部痛であると考えられました。

 

首から肩にかけての筋肉に負担がかかり、緊張していることが痛みの直接的な原因でしたが、痛みを取り除くだけでなく、首にかかる負担自体を軽減していかないと根本的な改善にはならず、いずれ痛みは繰り返してしまいます。

 

姿勢のアンバランスさである「上位交差性症候群」という首の前面と背中の背面の筋肉が弱く、首の背面と胸の前面の筋肉が緊張している状態を改善するために、手技と電気療法で施術を行っていきます。

 

それと同時に自宅での首に負担のかからない寝方や枕の指導、更にストレッチなどもお伝えしました。

 

今後は経過を見つつ、首や肩の痛みで悩まされないようにサポートしていきます。