工場で仕事中、荷物を持ち上げる動作が続き腰痛になった40代男性の相談事例

嶋津

 

 

患者情報 : 41歳 男性 

 

【問診】

<お悩み>

2週間前から腰に痛みがあり様子を見ていたが、今朝から痛みがひどくなった。

 

仕事を休むことが出来ないので何とかしてほしい。

 

<患者様からお伺いしたこと>

 

問診

 

Q,これまでに腰を痛めたことはありますか?

 

今まで腰が痛くなることはあったが2~3日でおさまっていました。

 

Q,過去の腰の痛みは、怪我などが原因ですか?

 

過去に腰に大きな怪我をしたことはありません。

 

2~3日痛くなることはありましたが、動けないほどではありませんでした。

 

Q,お仕事はどんな内容ですか?

 

仕事は工場で立ち仕事です。

 

前かがみになり、重い荷物を持ち上げて機械に入れる作業を繰り返し行います。

 

Q,下半身にしびれの症状はありますか?

 

腰や足にしびれを感じたことはありません。

 

Q,朝一で痛みが強く現れたりしますか?

 

朝に痛みを感じる事は、たまにあります。

 

Q,腰の痛みで整形外科や整骨院等を受診されたことはありますか?

 

今まで腰で治療を受けたことはありません。

 

Q,普段痛みがある時にどう対処されていますか?

 

普段痛みがある時や、疲れている時は、仕事の際にコルセットをしています。

 

Q,寝ている姿勢で痛みは感じますか?

 

寝ている姿勢では痛みを感じません。

 

【検査】

腰の痛みの原因を調べる為に以下の検査を行いました。

<動きの検査>

腰の動きの検査

前屈した際に腰の左右の筋肉部分(脊柱起立筋)に痛みが出ました。

 

後ろに反らす動作では痛みが強く、腰を伸ばすことが出来ませんでした。

 

仰向けで腰を丸めていくと痛みが出ました。

 

骨盤の動きの検査

骨盤の動きを、うつ伏せの姿勢で検査しましたが異常はみられませんでした。

 

股関節の動きの検査

股関節の動きを見る検査では、右股関節の動く範囲が狭く、正常な動きの範囲が45°のところが、20°までしか動きがない状態でした。

 

お尻についている外旋筋や股関節の前についている腸腰筋が、緊張して硬くなっている状態でした。

 

<神経症状の検査>

 

・坐骨神経の検査を行いましたが、異常は見られませんでした。

 

・足の力の入り方の検査を行いましたが、異常は見られませんでした。

 

<筋力の検査>

・お尻の筋肉の力はしっかりと入る状態で、正常な範囲内でした。

 

<その他の所見>

・立っている姿勢で腰が前にそっており、背中の筋肉が張りやすくなっていました。

 

・立っている姿勢が続くと、腰の筋肉(腰方形筋)周辺にはりを感じる状態でした。

 

【検査結果から分かること】

 

腰痛の説明

 

<腰痛の分類>

今までは筋膜性の腰痛だったものが、今回の腰の痛みに関しては、椎間板性のぎっくり腰に発展してしまったものと思われます。

 

腰痛には筋肉を痛めてしまう筋膜性のものと、背骨の間の部分である椎間板を痛めるものに大きく分かれます。

 

今回は腰の痛みが繰り返し起きている事や、痛みが2週間以上続いている事から椎間板性の腰痛だと判断できます。

 

神経症状が出るほど重傷な状態ではないですが、ほっておくと急性椎間板ヘルニアに発展してしまう可能性もあります。

 

<椎間板性ぎっくり腰の原因の分析>

仕事上、繰り返し前屈姿勢から荷物を持ち上げる動作が続くことで、腰周辺の筋肉の緊張(スパズム)を引き起こしていました。

 

また立っている姿勢で腰が前に反っている事から、それを支えようと腰の筋肉に負担かけてしまっています。

 

後日、再検査を行うとお腹周りの筋肉の力も低下していましたので、より腰には負担をかけてしまう状態でした。

 

そのため、腰を安定させるにはお腹周りの筋肉を上げていく必要があります。

 

【施術計画】

 

ストレッチポール

 

<施術の目標>

痛みを取り除き、そり腰を改善して股関節の動きの悪さを改善します。

 

そして仕事の前屈動作でも痛みが再発しない体を目指します。

 

<施術期間と通院頻度>

2~3か月の期間で、1週間に1回の来院ペースをお伝えしました。

 

仕事が木曜日休みなのでその際は必ず来院していただくこともお願いしました。

 

仕事の都合上、来院頻度を上げる事はできませんので、家での腰のストレッチを続けて頂きました。

 

<施術方針>

まずは腰の痛みを抑えていき、痛みが落ちついた段階で、腰を安定させる施術に切り替えて施術を行っていきます。

 

【施術経過】

半月経過の施術終了時

腰の痛みは初めを10だとすると4~6まで低下しました。

 

施術後4日間ぐらいの間は楽に過ごせるようになりました。

 

仕事中はコルセットをしていると安心する、という状態です。

 

約一か月の施術終了時

腰の痛みは初めの10の度合いから1~2にまで減少しました。

 

そのため、ここから腰の安定性を高める施術に切り替えていきます。

 

電気施術も、お腹まわりやお尻につけていき筋力を上げていきました。

 

仕事ではコルセットを引き続きされている状態でした。

 

約二か月の施術終了時

腰の痛みはほぼ感じなくなりました。

 

次の来院までの1週間の間に、痛みを感じる事がなくなりました。

 

股関節の動きも改善し、当初20°程の動きだったものが、35°まで動くようになりました。

 

約三か月の施術終了時

仕事でもコルセットをしなくてもよくなり、以前より疲れを感じにくい状態になりました。

 

腰の安定性も出てきましたので、今後も良い状態が長くキープできるようにストレッチポールを使ってのセルフでのストレッチを指導して、無事に施術を終了しました。

 

【まとめ】

この患者様は長年腰の痛みをお持ちでしたが、今回は二週間ほど続く強い腰の痛みで来院されました。

 

お仕事でも立ち仕事で重いものを持ったり、前屈の体勢が長かったりと腰に負担をかけやすい環境にありましたが、更に詳しく原因を調べるため検査を行いました。

 

その結果、腰に負担をかけ続けたために腰周りの筋肉が緊張して硬くなっている状態で、その為に股関節の動きが悪くなっていました。

 

またお腹周りの筋肉も弱かったことで、腰にかかる負担は非常に強い状態であると言えました。

 

そのため、これまでの慢性的な腰の痛みは筋の緊張によるものであったのが、今回は背骨の中にある椎間板に問題が起こることで痛みが発生したものと考えられました。

 

施術では、まずは痛みを抑えるところから始めましたが、一カ月の施術で痛みはほぼ治まったことで、腰に負担をかけている原因に対する施術を進めました。

 

腰や股関節の筋肉の緊張をほぐし、弱いお腹の筋力をつけることで腰にかかる負担を徐々に減らして行き、結果として三ヶ月間で無事に施術を終了することが出来ました。