★座っているより立っている時の方が左腰に痛みがある60代男性の相談事例★

田村

柔道整復師(国家資格)

 

患者情報: 60歳 男性

【問診】

<お悩み>

腰に痛みがあり、座っているより立っているときの方が痛みがある。

特に左腰の骨盤の少し上辺りに痛みがあります。

 

<患者様からお伺いしたこと>

ここ2週間くらい痛みが出たり出なかったりしているが痛みが引かないです。

重い物を持つ時や前かがみになる時、後ろに反る時に痛みが出ます。

左腰の低い位置で骨盤の少し上の部分が痛くなります。

座っている時が痛みはマシになります。

動き出すと痛みを感じることはあります。

2年程前から左の足首辺りから指先にかけてシビレがあります。

 

<整形外科での治療歴>

・過去に整形でレントゲン検査を受けた時に、腰の椎間板がすこし飛び出していると言われた。疾患名などは覚えていません。

・20代の頃に左膝を痛めて、半月板を取る手術をしました。それから左膝は90度程しか曲がらない状態です。

 

【検査】

腰痛の原因を調べるために、以下の検査を行いました。

 

<動きの検査>

・腰の動きの検査:前屈と後屈の動き出しと直立に戻った時に左腰(骨盤に近い所)に痛みが出ました。

・股関節の動きの検査:股関節を捻る動作が硬く、外旋筋群と腸腰筋という筋肉が緊張している事が疑われます。

・骨盤(仙腸関節)の動きの検査:仙骨の動きが悪く、うつ伏せの状態で片足ずつ膝を曲げてもらうと腰からお尻が浮いてしまい、骨盤の動きが悪い事がみられました。

 

<神経症状の検査>

・神経症状の検査を行ったところ、左側のみ疑いがありました。

 

<その他の検査>

・仙腸関節炎の検査:お尻と腰の間にある仙腸関節に炎症がないか検査を行ったところ、左側のみ疑いがありました。

 

<筋力テスト>

・インナーマッスルの筋力検査:お腹の深部にあるインナーマッスルは弱くなっていた。

・お尻の筋力検査:左右ともにお尻の筋力が弱くなっていました。

 

【腰痛の分析】

<腰痛の分類>

今回の腰痛は、前かがみや後ろに反る時、また重い物を持つ時などどの動作でも痛みがあり検査からも左側の仙腸関節炎が疑われます。また足にシビレが2年前から出ており検査からも異常があるため腰の椎間板という背骨と背骨の間にあるクッション性のものが悪くなった椎間板性の腰痛の2つが疑われます。

 

<原因の分析>

こちらの患者様は、今回の腰痛はここ2週間の間に出ていますが、2年程前から椎間板を悪くされているため、少なくとも2年前から腰に負担をかけていたと考えます。

その負担となっている原因としては、

 

➀股関節の動きが特に悪い事

②骨盤(仙腸関節)の動きが悪い事

③インナーマッスルというお腹の深部の筋肉が弱くなっている事

④大殿筋というお尻の筋肉が弱くなっている事

 

➀~④が悪い事により共通して腰に負担がかかりやすい身体の状態である事が言えます。

股関節の動きと骨盤の動きが悪いとそれを庇うように歩く時やさまざまな動作で腰の筋肉に負担がかかります。またインナーユニットが弱い事により身体を支える力が弱くなるので腰の筋肉が身体を支えようと負担が掛かってしまいます。

お尻の筋肉が弱い事により歩いている際に代わりに腰の筋肉が働くためお尻の筋肉が弱い事も腰への負担の原因となります。

またこちらの患者様の場合は20代の頃に左膝関節の手術で半月板という関節の中にあるクッション性の軟骨を取られており、それから左膝のみが曲がりにくくなっておられるために生活をしている中で腰に負担をかけてしまう原因がいくつも出てきてしまったと思われます。

 

<施術方針>

まず股関節の動きと仙腸関節という骨盤にある関節の動きが悪かったため、動きの改善が重要になってきます。具体的には、腰の痛みだけを取る治療だけでは治療後ラクになられたとしてもすぐに負担がかかり戻ってしまうので、負担となる原因である股関節の動きをよくしていく事が必要となります。そのために腰から骨盤に付いている腸腰筋とお尻にある外旋筋群という筋肉の動きを良くしていきます。また仙腸関節の動きを良くしていくために腰から骨盤に付いている腸腰靭帯という靭帯の動きをよくしていく治療を行っていきます。

お腹の筋肉やお尻の筋肉が弱い事も腰の負担にはなっていますが、まず仙腸関節で炎症が起こっている可能性があるため腰と仙腸関節の所に電気の治療で痛みを軽減するために使います。その後、状態に合わせて電気の治療でお尻やお腹の筋肉を鍛えていきます。

自宅ではお尻の筋肉やお腹の筋肉を鍛えるトレーニングをアドバイスしていきます。

 

<施術のゴール設定>

2週間前から出ている腰の痛みが感じない状態

 

<施術期間と頻度>

週2回、1ヶ月でまずは股関節や仙腸関節の可動性を改善していきます。

それでも改善が少し進まなければ2~3ヶ月かけてお尻とお腹の筋肉を鍛えて負担を減らしていきます。

 

<施術経過>

治療2回目は初診時の治療後はラクであったが、数日動いていると痛みが戻ってきた。また通勤で合計45分ほど歩かれるため負担がかかったと考えられます。