★歩いて5分~10分ほどで腰や太ももに痛みが出る60代女性の相談事例

二又

患者情報 :69歳 女性

 

【問診】

<お悩み>

3月から続く、歩いた際にでてくる腰と太ももの痛み

 

<患者様からお伺いしたこと>

 

Q,過去に腰の痛みがあったことはありますか?

 

40代の頃にぎっくり腰になったことがあります。そこからたまにぎっくり腰をすることがあります。

 

Q,どのような動作で、どこに痛みが出ますか?

 

歩いて5分から10分ほどで、腰から右太ももの痛みが出てきます。

痛いので休憩すると、立った状態でも座った状態でもどちらでも楽になります。

 

Q,座っている姿勢では痛みはありますか?

 

座っている時の痛みはないです。

 

Q,朝一番で痛みが強いことはありますか?

 

朝に痛みがでることはないです。

 

Q, 下半身にしびれなどの症状はありますか?

 

しびれなどを感じた事はないです。

 

Q, 辛い体勢などはありますか?

 

家事などの動作で、立っていることがしんどく感じます。

 

Q,これまでに整形外科や整骨院を受診されたことはありますか?

 

痛みが出て整形外科に受診した際に、MRIを撮り、脊柱管狭窄症と診断されました。

 

 

【検査】

腰の痛みの原因を調べる為に以下の検査を行いました。

 

<動きの検査>

 

・腰の動きの検査:

前屈した際に痛みはありませんでした。

後ろに反らした際には痛みがありませんでした。

 

・骨盤の動きの検査:

骨盤の動きの硬さを調べる検査でうつぶせの際、硬くてお尻が上がってしまう状態でした。

また、仰向けの状態で片足をもう片方の膝の上にのせてもらい、のせた足の膝が水平になるかの検査をさせてもらいました。左側は特に問題ありませんでしたが、右足の方では水平になっておらず、膝が浮いていた状態でした。

 

・股関節の動きの検査:

股関節の動きを見る検査は正常でしたが、実際に触ってみると股関節の前についている筋肉である腸腰筋と、股関節の後ろについている筋肉である外旋筋に硬さが見られました。

 

<神経症状の検査>

 

・腰の椎間板という腰のクッションに問題があるかの検査をしましたが、問題ありませんでした。

 

<筋力の検査>

 

・お尻の筋肉が弱くなっており、足を上げた際に起立筋という腰の筋肉がお尻の筋肉より先に動いていました。

・お腹の深部にあるインナーマッスルの筋肉の検査では、お腹の筋力が弱い状態であることが分かりました。

 

<その他の所見>

・施術後は腰や太ももの痛みが楽になり、また実際に歩行を確認したところ、歩きやすさも感じられました。

・後日、中殿筋と呼ばれるお尻の筋肉を検査したところ、筋力が弱いことが分かりました。

 

【検査結果から分かること】

<痛み、症状の分類>

 

腰の痛みに関しては、主に

  1. 筋肉が痛みの原因になっている筋膜性の腰痛
  2. 椎間板という背骨の間の所が悪く腰に痛みが出てくる椎間板性の腰痛
  3. 背骨に囲まれた管(脊柱管)はその管に沿って神経などが通っていますが、その脊柱管に問題があることで痛みが出ている腰痛

などがあります。

 

今回の腰の痛みに関しては、歩行時の痛みが主な症状としてありました。

ただ、神経検査でも異常は見られず、治療後に症状が軽減したことから、筋膜性によるものが大きいものの、症状から脊柱管にも多少問題があると考えられました。

又、太もももの痛みに関しては、歩行時の歩き方が問題となり、太ももに負担がかかったことで出てきた痛みだと判断しました。

 

<原因の分析>

この患者様の場合、歩行時に問題となる原因があると考えられました。

具体的には、インナーユニットと呼ばれるお腹の深部の筋肉や、お尻周りの筋肉が弱く、仙腸関節という骨盤の動きも悪かった為に、歩行時に腰の筋肉や太ももの筋肉がそれらをかばってしまったのが原因であると考えました。

またお腹の筋肉などが弱いことによって体幹が弱くなり、脊柱管にも負担がかかってしまっていました。

 

【施術計画】

<施術目標>

歩行の際の痛みが強いため、正しい歩き方を習得していく事が目標になります。

 

<施術期間と通院頻度>

期間としては2か月から3か月になり、一週間で2回の来院が目安になってきます。

 

<施術方針>

腰の痛みを指圧による施術で抑えていきながら、骨盤の動きをよくしていく為に、骨盤から腰椎についている腸腰靭帯と呼ばれる筋肉の動きを改善していきます。

そして弱くなっているお腹周りの筋肉(腹横筋、腹斜筋)、お尻周りの筋肉(中殿筋、大殿筋)を電気施術による刺激で鍛えていきます。

又自宅では弱くなっているお尻の筋肉と腹圧を鍛える為に、セルフトレーニングを指導させていただきました。

 

【経過】

 

・4回目の施術終了時

歩行時の痛みが半分にまで減り、痛みで休憩しないといけないという回数は減少しました。

・6、7回目の施術終了時

痛みはほとんどなくなり、歩いている時の違和感が残るだけになりました。

当初5分から10分で痛みが出ていた症状が、20分から30分まで歩行できるように改善しました。

・その後、東京に旅行に行かれましたが、痛みや違和感などがなくなった状態で過ごすことが出来たということです。

筋力の弱さは感じるものの、痛みが無くなっている状態が続いていることから、患者様と相談し施術を終了しました。

 

【まとめ】

今回の患者様は、歩くと5~10分ほどで腰や太ももが痛んで辛い、という訴えで来院されました。

体の状態を調べた結果から、腰の痛みは筋肉が硬くなって引き起こされる筋膜性のものであると考えられましたが、同時に脊柱管という背骨の中を通る部分に問題があることも疑われました。

ただ、これらの問題の原因は、お腹やお尻の筋力が弱いことと、骨盤の動きが悪かったことによって引き起こされていました。

そのため、痛みを和らげるため筋肉をほぐす指圧とともに、骨盤の動きを改善していく施術を行いました。

結果として弱かった筋力は、確実についたとは言えない状態でしたが、痛みがなくなり、歩行にも問題がなくなったため、無事に施術を終了しました。