長時間座りっぱなしで首・腰・背中が痛い40代男性の相談事例

 

 

患者情報:45歳 男性

 

【問診】

<お悩み>

 

パソコンをする中年男性

 

首、腰、背中の痛み

<患者様からお伺いしたこと>

Q,まず、首の症状について教えて下さい。

 

ここ2~3日程、首に痛みと突っ張るような感覚があり、しんどいとうつの様に気分が沈むようになってしまっています。

 

Q,首の痛みは具体的にどの部分でますか?

 

首の後ろと横の筋肉が痛みます。

 

下を向くと突っ張る感覚があり、しんどさで気分が悪くなる事がある。

 

Q,これまで首の痛みで悩んだことはありますか?

 

10年程前に整形外科でレントゲン検査を受け、ヘルニアと診断を受けています。ここ1年程は負担が掛かると、ピキピキという音が鳴ります。

 

Q,上半身にしびれはありますか?

 

たまに腕の真ん中辺りにしびれが出ます。

 

Q,続いて腰の症状について教えて下さい。

 

腰は社会人になってから痛みがあります。

 

仕事がデスクワークで、負担がかかると痛く辛いです。

 

Q,痛めた原因は思い当たりますか?

 

痛めた原因ははっきりとは覚えていません。社会人になってから痛みが現れていると思います。

 

Q,痛み以外に、下半身にしびれなどの症状はありますか?

 

よく背骨がずれている感覚があり、ずれてしまうと痛みを感じやすいです。

 

しびれる感覚はありません。

 

あと、たまに両足(太ももから足首にかけて)の内側にむくみがあります。

 

長時間同じ姿勢が続くとしんどいです。

 

Q,背中の症状について教えて下さい。

 

背中は20年前から何度かぎっくり腰のような痛みを繰り返しており、最近は痛みよりもハリ感が強いです。

 

Q,ぎっくり腰のような症状は頻繁に起こりますか?

 

20年前から、5~10回程繰り返していると思います。

 

Q,痛みやハリ感はどんな時に感じますか?

 

常にハリ感を感じます。座っているとしんどくなってくるように思います。

 

Q,腰や背中の症状で整形外科へは行かれましたか?

 

背中・腰の痛みに関して整形外科等の医療機関を受診したことはありません。

 

Q,これまで整骨院等で治療を受けたことはありますか?

 

過去に整体院で電気と温熱の治療をしました。治療をした後は楽になっていましたが、また戻ってしまう事が続いていました。

 

【検査】

首・背中・腰の痛みの原因を調べるために以下の検査を行いました。

<動きの検査>

首の動きの検査

前屈をした時に、首の後ろに強いつっぱり感と痛みが出ました。

 

横に倒した時に、首の横の筋肉につっぱり感が出ました。

 

肩関節の動きの検査

外転(腕を横から上にあげていく)動作をした時に肩甲骨の間にある筋肉にハリ感が出ました。

腰の動きの検査

後ろに反った時に、背骨の横にある起立筋という筋肉に痛みが出ました。

 

右に体を捻った時に、右の腰の筋肉に痛みが出ました。

股関節の動きの検査

股関節を捻る動作が少し硬く、腸腰筋という筋肉が緊張していることが疑われました。

 

背骨の動きの検査

胸椎(背骨の背中にあたる部分)の動きが少しだけ悪くなっている可能性が疑われました。

 

骨盤の動きの検査

うつ伏せの状態で検査をした所、仙腸関節という骨盤の後ろにある関節の動きが悪くなっていました。

<神経症状の検査>

 

・首:神経症状の検査を行った所、異常が疑われました。

 

・腰:神経症状の検査を行った所、異常はありませんでした。

<筋力テスト>

 

・インナーマッスルの筋力検査:お腹の深部にあるインナーマッスルの筋力が弱くなっていました。

 

・お尻の筋力検査:左のお尻の筋肉が上手く使えていないため、筋力が弱まっていました。

 

【検査結果から分かること】

 

立っているビジネスマン

 

<首・背中・腰の症状の分類>

まず首の痛みは、大きく分けて筋肉によるものと背骨と背骨の間にある椎間板によるものの2つがありますが、今回は前に倒した際に痛みやつっぱり感があった事や神経症状の検査に異常があったことから、そのどちらにも異常があることが考えられました。

 

背中の痛みに関しては、首に関連した痛みである可能性も疑いましたが、首を動かしたときに背中に痛みなどが出ることは特に無く、肩甲骨を動かした際にハリ感や痛みがあった事から、筋肉による症状であることが疑われました。

 

腰痛に関しては、大きく分けると首と同様に筋肉によるものと椎間板によるものがありますが、この患者様の場合は後ろに反った際や捻った時に痛みがあった事、また神経症状の検査で異常はなかった事から、筋肉による痛みが疑われました。

<それぞれの症状の原因は?>

こちらの患者様は、仕事でデスクワークをされているためほとんどの時間が座っている状態になります。

 

そのため首に関しては、常に下を見ている姿勢が続き、頭の重さが数倍になって首の後ろの筋肉に負担がかかっている状態でした。

 

頭の位置が正常の姿勢に対して、前に出てしまっている前方頭位になっているため、首の後ろや横の筋肉に負担がかかってしまいます。

 

また背骨と背骨の間の椎間板が悪いことにより、首の筋肉に負担が掛かってしまっていることも考えられました。

 

背中に関しては、肩甲骨の動きが悪いことにより肩などを動かす際に無理が生じて負担がかかってしまっていると考えられました。

 

腰に関しては、お腹の深部の筋肉であるインナーマッスルの筋力が弱い事により、座っている姿勢を保つのに腰の筋肉ばかりに負担がかかっている状態でした。

 

また仙腸関節という骨盤の後ろにある関節の動きも悪いために、体を捻る動作や歩く時などは仙腸関節の代わりに腰が動きすぎて、腰の筋肉に負担が掛かってしまっていました。

 

【施術計画】

 

整体,指圧

 

<施術方針>

まず状態としては、それぞれ筋肉による痛みが大きいためピンポイントで痛みを和らげる施術を行えば痛みは軽減します。

 

具体的には患部への指圧や電気施術を行います。

 

しかし、ピンポイントでの施術だけでは患部に負担がかかるとまた痛みが出てきてしまいます。

 

そのため、仕事中の座っている姿勢を正しく保つことが出来る様にすることが必要になってきます。

 

検査からインナーマッスルの筋力が弱い事で姿勢が全体的に前かがみになりやすい傾向が判明していますので、電気施術でこのインナーマッスルの筋力を鍛えていきます。

 

また肩甲骨の動きや、仙腸関節という骨盤の後ろにある関節の動きが悪いため、それぞれ手技にて動きを改善していきます。

 

そして自宅ではお腹の深部にあるインナーマッスルを鍛えるトレーニングや頭が前に出過ぎないように首の前の筋肉のトレーニングをアドバイスしていきます。

 

加えて、それぞれ負担がかかっている筋肉に対してのストレッチもアドバイスしていきます。

<施術のゴール設定>

それぞれ首・背中・腰の痛みが出にくくなるようにする事を目標とします。

<施術期間と頻度>

週2回 2~3ヶ月を提案しました。

 

【まとめ】

この患者様の場合、デスクワークという仕事内容上、首、背中、腰にそれぞれ負担がかかりやすい状態でした。

 

更に体を正常に保つ筋力の弱さや、関節の動きの悪さなどで余計に体に負担がかかってしまっていました。

 

痛み自体は患部への施術で徐々に収まっていくことが予想できますが、根本の姿勢や体の状態が改善されないと、結局症状は繰り返してしまいます。

 

施術で体の本来の機能を改善し、ご自身でもトレーニングをするという両輪の働きで体と付き合うことが一番の近道となります。

 

この患者様がこれからの施術でどのように改善されていくか、今後もしっかりと見守っていきます。