2年前から腰痛、身体をねじる動作が痛い40代男性の相談事例

 

患者情報:48歳 男性

【問診】

<お悩み>

フォークリフト 男性 腰痛

 

2年前から腰痛を抱えていたが、1週間前から痛みが強くなり、動いた時の痛みが辛いので受診した

<患者様からお伺いしたこと>

Q,痛むのはどの部分ですか?

 

痛みは腰の部分に集中しています。

 

Q,痛みが強くなったきっかけのようなものはありますか?

 

特に思い当たることはありませんが、1週間前から急に痛みが強くなってきました。

 

Q,お仕事ではどんな作業が多いですか?

 

仕事内容はリフト作業で、身体を捻じる動作が多いですが、その時に強く痛みを感じます。

 

また、機械に乗りながら作業を行いますが、その機械の振動が加わるだけでも痛みを感じます。

 

Q, 痛みの強さに時間帯での差はありますか?

 

起床時の痛みが特に強く、朝、歯磨きを行う動作で痛みが増します。

 

Q,ほかにどんな動作で痛みますか?

 

前に体を倒す動作をすると、痛みが強くなります。

 

Q,お尻や足にしびれなどの症状はありますか?

 

特にありません。

 

Q,今までに大きな怪我や病気をしたことはありますか?

 

過去にぎっくり腰を2回起こしたことがあり、その時は何もしなくても痛みは改善しました。

 

また、バイクでサーキットを走行中、200㎞の速度で転倒し、脳震盪を起こしたことがあります。

 

Q,これまで整形外科等での治療を受けられたことはありますか?

 

はい、整形外科でレントゲンを撮ったところ、骨と骨の間隔が2か所狭くなっていると言われました。

 

そのため牽引治療と低周波治療を行っていましたが、改善は見られませんでした。

 

【検査】

外旋筋群 腸腰筋

 

腰痛の原因を調べるために、以下の検査を行いました。

<動きの検査>

腰の動きの検査

前屈をした時に、腰の中央部に痛みが出る為に少しの動きしか行えませんでした。

 

後屈をした時に、腰の中央部に前屈ほどではありませんでしたが、痛みが出てきました。

 

回旋をした時に、腰の右側に痛みが出ました。

 

股関節の動きの検査

股関節を捻じる動作が硬く、外旋筋群という筋肉が緊張していることが疑われました。

 

股関節の前側にある腸腰筋という筋肉が緊張して硬くなっていることが疑われました。

 

肩甲骨の動きの検査

肩甲胸郭関節(肩甲骨と胸郭を繋ぐ関節)の動きが悪くなっていました。

 

<神経症状の検査>

・神経症状の検査を2種類行いましたが、2種類共に陽性所見が見られました

 

<筋力テスト>

インナーマッスルの筋力検査

お腹の深部にある筋肉の筋力が低下していました。

 

殿筋群の筋力検査

お尻の筋肉(殿筋)がうまく使えているか検査を行いましたが、足を後ろに反らせていくと痛みが強くなった為、正確な測定が行えませんでした。

 

【検査結果から分かること】

<腰痛の分類>

 

今回の腰痛は椎間板性腰痛に分類されます。

 

背骨というのは、小さな硬い骨「椎骨」と、柔らかい軟骨性の組織「椎間板」とが、何重にも積み重なってできています。

 

椎間板の中央には「髄核」というゼラチン状の部分があり、それを「線維輪」という軟骨が取り囲む構造をしていて、その弾力性によって背骨にかかる衝撃をクッションのように吸収・分散しています。

 

20歳を過ぎた頃から椎間板の老化がはじまり、年齢と共に少しずつ水分が失われ、徐々に弾力性がなくなり硬くなっていきます。

 

衝撃を吸収する働きが弱まっているところに、腰に負荷がかかったり、長期間腰を使い続けて負荷が蓄積したりすると、内部の髄核が押しつぶされたり、線維輪に亀裂が入ることがあります。

 

こうした病状を「椎間板症」と呼びます。

 

線維輪には痛みを感じる神経がありますので、椎間板がつぶれることで腰の痛みやだるさといった症状が現れます。

 

・朝一の痛みを感じやすい

・ぎっくり腰を何度か繰り返している

・前にかがんだ時の痛みが強くなる

 

等の症状がある場合は、椎間板性腰痛であることが多いです。

 

<椎間板性腰痛の原因は?>

 

この患者様の場合、レントゲンでも骨と骨の間隔が狭くなっている(椎間板が薄くなっている状態)と診断を受けていますが、重要なことは椎間板にかかる圧力を減らしていくことが第一優先となります。

 

狭くなってしまったことを改善することはできませんが、患部にかかる負担を減らすことで症状を緩和することは可能です。

 

特にこの患者様の場合、仕事上で「体を捻じる動作」が多く、又、その時に強く痛みを感じるということでしたが、腰の骨や椎間板は、構造上の問題で、「体を捻じる動作」に対しては弱く、本来ほとんど捻じる動作を行わない部分になります。

 

その為、身体を捻じる動きそのものが腰にとっては負担になっているのですが、身体を捻じる動作には

 

①肩甲胸郭関節(胸の背面、前面部分)

②腰椎

③股関節

 

この大きく三つの部分が関係しています。

 

この患者様の場合、股関節と肩甲胸郭関節の動きが悪くなっていることによって、残った腰が過剰に働かないといけないことになり、椎間板にかかるストレスが増えていたのです。

 

ですので、この患者様の場合、痛みの出ている腰だけの治療をしていても一切よくなることはありません。

 

股関節や肩甲胸郭関節の動きを高めていくことが重要となります。

 

【治療計画】

整体 指圧

<治療方針>

股関節と肩甲胸郭関節の動きを正常の動きに改善するために、リリース(手技)を行います。

 

又、腰の筋肉が緊張しすぎていることも椎間板にかかる圧を増やしている要素となっているため、腰の筋肉を緩めていく為に、患部への指圧と特殊な電気施術を行います。

 

<治療のゴール設定>

日常生活動作時の痛みを改善していくことを治療のゴールとしました。

 

又、根本的に治療を施すことで、再発しづらい体を作っていくことをお伝えしました。

 

<治療期間と頻度>

仕事上、患部に常に負担をかけながらの治療になるので、週に1回、2カ月間の治療期間をご提案しました

 

【経過】

3回目施術時

筋肉の硬さや関節の動きは少しずつ良くなっていましたが、1週間経つと痛みが元に戻ってくるような状態でした。

 

治療後3日程は楽な状態が続きますが、それ以降は痛みが戻る状態でした。

 

5回目施術終了時

痛みの程度は初診時の痛みの度合いを10とすると、10→3まで低下し、1週間期間が空いても元に戻ってくることは少なくなってきました。

 

7回目施術終了時

動作時の痛みはほとんど感じないようになりました。

 

股関節の動きが正常化しましたが、肩甲胸郭関節の動きはまだ硬いので、もう少し改善できるように施術を進めています。