3ヵ月前に肋骨骨折をしてから腰が痛くなったケース

患者情報:37歳男性。

【問診】

<お悩み>

三ヶ月前に転倒した時に肘が左の肋骨に当たって左肋骨を骨折し、その翌月から腰の痛みが強くなってきました。

 

 

<問診でお伺いしたこと>

Q、今まで腰の痛みがでたことはありますか?

元々、10年前に腰椎椎間板ヘルニア(椎間板の場所は不明)を発症しました。肋骨を骨折するまでは腰の痛みは落ち着いていましたが、骨折を機に10年前ヘルニアになった時の痛みが再発してきました。ヘルニア以外にも、過去に数回ぎっくり腰になったことがあります。

 

Q、腰の痛みで施術を受けたことはありますか?

特にありません。ヘルニアと診断された時にも、軽度だったためしませんでした。

 

Q、どんな動作をした時に、どこが、どんな風に痛みますか?

朝目が覚めて痛みがあり、起床時の起き上がりの動作が一番辛いです。その時には腰からお尻の部分に鋭い痛みが走ります。夜寝ている時の、上向きの姿勢がしんどいです。座っている体勢や立っている体勢での痛みはありません。靴下を履く動作や、前に屈む姿勢の時にも痛みが強く、腰からお尻の部分に鋭い痛みがあります。痛みは、普段は重い感じが、動作をした時にズキッと鋭い痛みがあります。

 

Q、お尻や足にしびれはありますか?

三年前から左の太ももからすねに向かってしびれはありませんが、違和感があります。

 

Q、お仕事は主にどんな動作が多いですか?

主に重い荷物を運ぶ作業、デスクワーク作業が多いです。仕事中にも痛みがでることがしばしばあります。

 

【検査】

<動きの検査>

・腰の動きの検査:前屈した際に腰からお尻の境目での痛みがでました。後屈よりかは前屈した際での痛みが強かったです。

・股関節の動きの検査:股関節周りの動きは左側が若干硬いことが分かりました。

・仙腸関節の動きの検査:仙腸関節の動きが硬く、左足を動かした際に、左側の尻が上がってしまっていました。

 

<筋力テスト>

・足の親指を押し返す力を判定する検査では、伸ばす際に力がやや弱く、神経的に問題があることが分かりました。

・お尻の筋肉(大臀部)の筋力が弱く、腰の筋肉(起立筋)がかばって動いていることが分かりました。

・インナーマッスル(腹横筋)の筋力も弱いことが分かりました。

 

<その他の検査>

・神経学的な検査(SLR検査)では左側に異常がみられました。

・仙腸関節の検査を二種類行いましたが、それらは共に異常なしでした。

・その他、肋骨部の前後左右の圧迫検査では痛みはなかったことから、肋骨は現在問題がないことが分かりました。

・腰の中心部(起立筋、腰方形筋)を押すと痛みが出ました。

・骨盤の動きの流れが悪いことも検査から分かりました。

 

【腰痛の分析】

<腰痛の分類>

前に屈んだ動作や夜上向きの姿勢での腰からお尻にかけての痛みや、朝目が覚めてからの痛みなどから、椎間板ヘルニア(L5/S1)の疑いがあると考えられました。

また、お尻の筋肉(殿筋)の筋力や腹圧が弱いこと、背骨を支える骨盤の関節(仙腸関節)や股関節の動きが悪いことなどから、腰椎の下部が動きすぎていることと椎間板に垂直にかかるストレスが高まっていることが考えられました。また、そこから太ももからスネにかけての違和感が起こっていると考えられました。

 

<腰痛の原因は?>

三ヶ月前に左肋骨を骨折したことにより、当初は左肋骨に痛みがでないようにかばいながら生活していたことが原因だと考えられました。

かばいながら生活したことにより、元々の体の使い方がさらに悪くなり、機能障害が悪化する状況が生まれました。

そんな中で骨盤周りを支える腸腰筋や腸腰靭帯が代わりになって働きすぎることで腰部の筋が硬くなってしまい、椎間板への垂直にかかる負担が強まってしまったことが今回の腰痛の原因と考えました。

 

【施術計画】

・施術期間

指圧と手技による筋膜の癒着をはがす施術をした後、施術前の痛みの度合いを10とするところ、10→1へと劇的に改善し、上向きの姿勢ができるようになったことから、二つの施術プランを提案しました。

週2回の通院を3週間行う短期プランでは、股関節と仙腸関節の動きにくさを改善していきます。

また、週2回の通院を3カ月行う長期プランではヘルニアそのものの改善は難しく、椎間板への垂直にかかる負担を軽減して日常生活でのストレスを減らし痛みにくい体を作っていきます。

 

・治療方針

手技施術は骨盤周りの腸腰靭帯、腸腰筋とお尻の外旋筋を中心に筋肉の癒着をはがしていきます。痛みの改善のため、当初は立体派電流を腰とお尻中心に当てていましたが、今後は腰椎にかかる負担を軽減してくために、お腹側のインナーマッスルである腹横筋を電流でトレーニングし、お尻の筋肉にも筋力がついていくように施術していきます。

 

・その他、自宅でのお腹を凹ましてインナーマッスルを鍛えるドローイントレーニングを指導しました。

 

【経過】

これまで計7回通院され、現在も来院されています。

2~3回目の施術では、施術直後は楽にはなっているが、その後痛みが戻ってくる状態が続きました。

4回目の施術では朝一の痛みが軽減し、洗顔などの動作も楽にできるようになりました。

その後、経過をみながらより改善するよう施術を行っていきます。