品出しの仕事をしていて肩を痛めてしまった女性のケース

患者情報:51歳女性。パート

【問診】

<お悩み>

首から左肩にかけて痛みがあります。

<問診で伺いしたこと>

Q、仕事の内容はどういったもので、どのような動作が多いですか?

品出しの仕事を週5日2時間しています。繰り返し肩より上に手を上げる動作をします。

 

Q、痛みはいつ頃から出ていますか?

首から肩にかけての痛みは五年前から慢性的にありましたが、三か月前に急に痛みが強くなりました。その原因は分かりません。

 

Q、これまでに肩の痛みで病院に行かれたことはありましたか?

整形外科でレントゲンを撮り、椎間板が狭くなっていると言われたことがあります。

 

Q、どんな動作で、どこに痛みが出ますか?

手を上に上げた状態で作業をする時、左肩の関節部分が痛みます。

 

Q、腕などにしびれはありますか?

しびれは特にありません。

 

Q、痛みの出やすい時間帯などはありますか?

朝よりも夕方になるにつれ痛みが増してきます。

 

Q、運動はされてますか?

スポーツジムに週2回二時間ほど行きます。ストレスを感じることが多く、ボクシングをやってみたいと思っています。

 

【動きや痛みの検査】

<動きの検査>

・肩の動きの検査:手を上に上げた状態での手をねじる動きで左肩関節部分に痛みが発生しました。動きやすさは正常で、インピンジメント検査という肩の関節の中の動きを測る検査も陰性でした。

その他、肩甲骨が前に傾いていること、胸の上内部にある小胸筋が動きにくくなっていることが分かりました。また腕をまっすぐに開いた状態で左手で右手首を掴みにいくことが出来ず、肩甲胸郭関節の動きが悪いことが分かりました。

首の状態としては、頭が前へ傾いているいわゆるストレートネックの状態であることも見受けられました。

肩関節で動く範囲の制限は見られませんが、120度を超えたあたりから動きが悪くなることが分かりました。

 

<筋肉の検査>

首の動きにも筋肉の問題は特にありませんでした。

 

<その他の検査>

反り腰の状態で、骨盤が前に傾いていました。

 

【検査結果から考えられること】

<痛みの分類>

肩周りの筋肉群(斜角筋、横突間筋、僧帽筋、肩甲挙筋)を指圧後、肩を外側や上部に動かす動作での痛みがほぼ消失する変化が見られました。

仕事の動作で肩より上に上げる動作が続くので、首から肩にかけての筋肉(僧帽筋上部、肩甲挙筋)の筋肉が硬くなっていると考えられました。

合わせて、頭部が前に傾いていることで首の横側の筋肉(斜角筋、横突間筋)にも筋肉の硬さが見られるので、筋膜性による肩関節周囲炎が起こり肩関節の動きを制限し、痛みが発生していると判断しました。

 

<原因の分析>

硬い筋肉と弱い筋肉が体の前後で交差して体のバランスが崩れた状態(上位交差性症候群)と、頭が前に傾いているいわゆるストレートネック状態(頭部前方変位)が機能障害として考えられますが、改善していくには首から鎖骨周りの筋肉(鎖骨下筋、小胸筋、肩甲挙筋)の硬さをとり、脇下付近の筋肉(前鋸筋、QLS)の動きを改善していく必要がありました。

【施術プラン】

・施術期間

ご本人の希望では長期間の通院は避けたい、痛みが取れればいいとのことでした。

そのため、短期での計画として肩を動かした時の痛みを取っていくことをメインで行っていきます。指圧後に痛みがかなり改善していることから、週2回の合計5回前後の治療を行うことを提案しました。

・施術方針

短期で肩の疼きや痛みを抑えていく施術を行いながら、ジムでのトレーニングの際にできるストレッチを伝え、ご自身でも痛みのケアを行っていただきました。

合わせて長期での提案として、体の状態や首にかかる負担を減らし、痛みの出にくい体を作ることをお勧めしました。その場合、期間は3ヶ月で機能障害(頭部前方変位、上位交差症候群)の改善を目指し、頭部から肩にかけての負担を減らしていくことをお勧めしました。

 

・施術目標

痛みを抑えていくことと、筋肉群の癒着している状態を手技で外していき、痛みが出る前の状態を目指します。また、硬くなっている肩関節周りの改善も行います。

 

・その他

肩甲骨のストレッチ指導と、ジムで行えるストレッチポールを使ってのストレッチの指導を行いました。

 

【その後の経過】

二回目の施術で初めての来院時の痛みの度合いが10とするなら、3にまで痛みは軽減しました。3~4回目の施術で肩を動かす動作での、たまに引っ張られるような感覚はありますが、痛みはほとんど感じない状態になりました。

この患者様は、合計7回(約一カ月)の施術で痛みや症状が完全に消失し、施術終了となりました。