肩甲骨の動きが悪くなり、肘と腕に痛みを感じていた60歳男性の改善事例

二又

 

患者情報:60歳 男性 

 

【このようなお悩みをお持ちでした】

2年前より、右肘から力こぶ(上腕二頭筋)にかけて徐々に痛みがではじめ、腕を後ろに回し体を洗うような動作で非常に強いズキっとした痛みを感じていた。

 

その他の日常生活では、雑巾を絞ったり物を持ち上げたりする際に痛みがあり、仕事においては重たいハンドルのような形のレバーを回して閉める作業の際に痛みで力が入りにくい状態であった。

 

2年間の間で少しずつ痛みが強くなってきたが、日々のストレッチでどうにか騙しだまし凌ぎ続け、病院には行かなかった。

 

患部を動かさなければ痛みはなく、痺れのなどの症状もない。

 

ここ数ヶ月間はストレッチだけでは痛みが取れず、耐えられなくなり当院に来院された。

 

これを機に2年間悩んでいた肘から腕にかけての痛みを改善していきたい。

 

【専門家の見解】

肘や腕の症状に関連する検査を行ったところ、左肘の外側の「外側上顆(がいそくじょうか)」という部分が筋肉に引っ張られることで起こる「外側上顆炎」であると判断した。

 

仕事中、重たいハンドルを頻繁に回す動作の繰り返しで、この外側上顆に付いている筋肉に力が入り、外側上顆の部分が過度に引っ張られてしまうことが原因だと考えられる。

 

この外側上顆炎は中年以降のテニス愛好者によく見られる症状のため通称「テニス肘」とも呼ばれるが、この患者様のようにテニス以外の動作でも特定の筋肉に負担がかかって外側上顆が過剰に引っ張られると痛みを生じることはしばしばある。

 

ただ、患者様にはどうしても仕事を休むわけにはいかないという事情があった。

 

そこで、腕だけに頼らず上半身全体の力を使ってハンドルを回せるようになれば外側上顆の負担を軽減できると考えた。

 

検査では肩甲骨の動きが悪いために肩を上げる動作にも硬さが見られ、このままではどうしてもハンドルを回す動作を腕だけに頼らざるをえないような状態であったため、肩甲骨の動きを制限している筋肉を緩めることが根本的な解決に繋がると考えた。

 

そのため、肩甲骨を大きく動かせるような体づくりを目標にし、治療を行うことにした。

腕 整体

 

【次のような方法で改善を目指しました】

手技や電気療法で肘から肩甲骨周りの筋肉の緊張を緩め、関節周りの筋肉を動かしていき肩甲骨周りの動きをよくしていく。

 

筋肉の緊張を触診したところ肩甲骨の動きを制限している筋肉が「前鋸筋」や「菱形筋」という筋肉であることがわかったため、重点的に緩めることを行った。

 

日常生活での負担も大きく、肩甲骨や肘を使用する頻度が高い中での施術の為、施術頻度と期間を週2回・2か月間と設定した。

 

【治療経過】

・初回施術終了後

 

痛みの程度を10段階で表すペインスケールをご本人にヒヤリングしたところ、施術前に「10」だった肘から上腕の筋肉にかけての痛みが、施術後「3」まで改善した。

 

また、肩甲骨の動きも検査したところ、まだ完全ではないが施術後に改善が見られた。

 

 

・2回目施術時

 

初診施術後に大幅に改善した肘の痛みは、仕事の動作でほとんど元に戻ってしまったが、肘より上の部分(上腕二頭筋部分)の痛みに関しては確実に軽減した。

 

日常生活の中での肘のストレッチと肩甲骨の動きをよくしていく為に、小胸筋のストレッチと肘を伸ばすストレッチを指導した。

 

 

・3回目施術時(初診から1週間が経過)

 

肩甲骨の動きの硬さは完全に改善しきっていないが、肘のペインスケールが「5」まで改善し、痛みが半減した。

 

 

・5回目施術時(初診から2週間が経過)

 

これまでは、施術直後に改善した肘の痛みが、次の施術までに徐々に戻っていたが、このあたりでは次回の施術前検査でペインスケール「4 ~ 5」くらいの状態で維持できるようになってきた。

 

また日常生活で物を持ち上げる際に痛みたびたび発生していたため、物を持ち上げる際は脇を締め、出来るだけ肘を胴体にくっつけるように指導した。

 

 

・治療9回目(4週間経過)

 

肘のペインスケールが「3」まで軽減した。

 

肩甲骨の動きは初診時に比べ改善しており、肩の挙上動作も160°(正常角度180°)まで改善した。

 

一方、腕を後ろに動かし背中を触るような動作で依然動きが悪く、この動作を改善することを新たな目標に設定した。

 

自宅や仕事の動作時のセルフケアは継続して指導した。

 

 

・治療13回目(6週間経過)

 

肘のペインスケールが「2」まで改善した。

 

2週間前に改善目標に設定した腕を後ろに回し背中を触る動作では、多少動作制限と痛みが残る状態であった。

 

尚、肩を挙上する動作は170°まで改善し、残り10°のところまで進んできた。

 

 

・治療17回目(8週間経過)

 

 肘のペインスケールが「1」まで改善し、日常生活の中での痛みはほとんどなくなった。

 

 腕を後ろに動かし背中を触る動作でも痛みが発生しなくなり、肩甲骨全体の動きも良くなった。

 

 治療計画通り改善する事ができ、セルフケアの指導を入念に行って施術を終了した。

 

ストレッチポール