ヘルニアで腹筋の筋トレは逆効果??その真相は??

遠塚

ねっしん整骨院グループ スーパーバイザー 柔道整復師(国家資格)

ヘルニアで腹筋の筋トレは逆効果??その真相は??

 

そもそもヘルニアとはどんな状態の事を言うの?

 

背骨と背骨の間にある椎間板の中には、ゼリー状の塊のようなものがあります。このゼリー状の塊のようなものが背骨の後ろの方に飛び出して神経に触ることで、痛みやしびれなどの症状が現れます。

この状態をヘルニアと言います。

今回は特に腰の部分である腰椎の椎間板ヘルニアについてお話します。

 

「ヘルニアに腹筋は逆効果」「ヘルニアに腹筋が効果的」ってホントはどっち?

 

どちらも本当で、どちらも間違い、と言えます。

正確にいうと、ヘルニアをお持ちの方が「絶対にやってはいけない腹筋」と、「やった方が効果がある、改善につながる腹筋」の二種類があります。

 

「絶対にやってはいけない腹筋」って??

 

絶対にやってはいけない腹筋とは、ヘルニアを悪化させる腹筋運動です。

これは、一般に「クランチ」と言われる、頭を手で支えてお腹を丸めるようにして寝ている状態から起きることで腹筋を鍛える運動を言います。これはヘルニアの方は重症・軽症問わず、「絶対にやってはダメ」です。

 

 

 

そもそもヘルニアの一番の問題は「椎間板内のゼリー状のものが後方へ飛び出すこと」によって症状が出ているという点です。

腹筋で前に屈むことで、背骨のお腹側の骨は近づき、背中側の骨は広がります。そうすると、ゼリー状のものは自然と後方へ押しやられますが、ヘルニアの状態である人がこの動作を行うと、より症状を悪化させることになります。

腹筋運動を行うと、まっすぐに立っている状態の3倍の圧が背骨にかかってきます。

ただまっすぐに立っている状態でも、背骨には自分の体重などで負担が常にかかっていますので、前に屈む腹筋運動どころか、背中を丸めるような動き自体、ヘルニアの方が絶対にやってはいけない動きなのです。

 

では逆に「やってもいい、やるとヘルニアの改善につながる腹筋運動」は??

 

「ヘルニアには筋トレが必要!」「ヘルニアには腹筋運動がおすすめ!」という言葉は、ヘルニアにお悩みの方なら一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?

 

でも、腹筋といえば、前述のお腹を丸めるような腹筋運動しか思いつかない…

 

そんな方が誤解されているのが、鍛えるべき「腹筋の種類」です。

 

腹筋といえば、俗にシックスパック、などと言われるお腹の前面でスポーツマンが見せる割れた腹筋を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?

しかし、お腹の前面の筋肉を鍛えても実はヘルニアにはあまり意味がありません。意味がないどころか、その部分を鍛えるためのクランチの動きは、前述のようにヘルニアを悪化させる動きになりますので、やめておいた方がいいでしょう。

 

では、ヘルニアの方が鍛えるべき筋肉はどこ?

 

背中からお腹へと、まるで腹巻のような形で存在する「腹横筋」。

これこそが、ヘルニアの方が鍛えるべき筋肉なのです。

腰の痛みを抱えて病院へ行き、レントゲンの結果ヘルニアと診断された際、コルセットを処方された方は多いでしょう。このコルセットの役割は、背骨に横から圧力をかけることで垂直にかかる負担を軽減することです。

しかし、人間の体は不思議なもので、コルセットに頼ることで本来支えるべき役割をもつ筋肉が弱くなってしまいます。

この本来背骨を支えるべき役割を持つ筋肉、というのが人の持つ自然のコルセット、「腹横筋」なのです。

 

では、「腹横筋」はどうすれば鍛えられるの??

 

最も簡単で効果の高い腹横筋の鍛え方は、「ドローイン」です。

一般では、タレントの美木良介さんのダイエット法「ロングブレス」でも有名になりましたが、お腹をパンパンに膨らませるように息を思い切り吸い込み、お腹が凹みきるまで息を深く吐き出す呼吸法です。

腹式呼吸とも言いますが、この動きは腹横筋を鍛えるのに効果的です。

座った姿勢でも立った姿勢でも出来ますし、10回程度すれば十分に効果はあります。

 

他には、「プランク」と言われる、体幹トレーニングも腹横筋には非常に有効です。

プランクとは、腕立て伏せをするように肩幅に足を開き、手のひらの代わりに肘をついて、足先と肘の四点で体をまっすぐの体勢に保つ動きです。

 

 

簡単そうに見えますが、30秒もすれば体がプルプルと震え出すくらい、負荷がかかります。しかし、背骨が丸くなることはないので、ヘルニアの症状には影響はありません。(痛みが強く出ている時には避けて下さいね。)

まずは「ドローイン」から始めて、より筋トレを意識したい方は「プランク」に挑戦する、というのがよいでしょう。

 

【まとめ】

 

ヘルニアの方は、背骨の負担を軽減するために腹筋の筋トレが必要ですが、鍛えるべき筋肉について正しい知識を持ちましょう。

コルセットに頼っていては、筋肉はどんどん弱まる一方ですが、一般的な「クランチ」の腹筋運動はヘルニアを悪化させるだけです。

ヘルニアの方がするべき腹筋は「ドローイン」や「プランク」という「腹横筋」を鍛える腹筋運動です。

「腹横筋」を鍛えて、自分のもつ自然のコルセットを強化しましょう。

ヘルニアと診断された方は、例え症状が治まっていても、「クランチ」の動きは避けるようにして下さいね。